カクヨムという小説を投稿したり読んだりできるサイトがあるのをご存知でしょうか。
小説家になろうのほうが有名かもしれませんが、こちらも負けじといいタイトルが揃っており、最近は色々と読み漁っています。
今回は、そんな中から書籍化もしている「テイルズ・オブ・西野」についての感想を書いていきたいと思っています。
最初は中々面白さに気付きにくい?
本作の主人公である「西野」は、普通に高校生活を送る傍らで裏稼業をこなすという若干厨二要素がある設定を持っています。
異能の力を駆使して難しい依頼も難なくこなし、行きつけのバーでマスターとニヒルな会話を楽しみながら酒を飲む。
ハードボイルドの典型みたいな行為ばかりをこなしている彼ですが、その顔面偏差値は中の下なのです。
作中ではフツメンと強調されていますが、読んでいるとどうもブサメン寄りな気がします。
そんな外見で前述した行動を取っている、その痛さというかどこか決まらない感じを最初は楽しむんだと思っていました。
が、どうも痛さが際立ってしまうというか、素直に楽しむ以前に「あいたたた~」と恥ずかしさが勝ってしまうのです。
本人は格好良いと思ってやっているクールな態度も、あまり好感を持つことができず段々と読むのが苦痛になっていました。
結果、数話を読んだ状態でストップし、半年ほど間が空いてしまったのです。
物語は西野の意識改革が始まってからが本番
そこからまたひょんなことから読み始めたのですが、暫くは最初に抱いた悪い印象のままでした。
しかし、孤高を良しとしていた西野がある日「このままでは一生孤独なのでは・・・?」と気付くところから徐々に面白くなってきたではありませんか。
今までの癖というか立ち振る舞いはそのままに、意識が変わったことで空回りする西野が段々と愛らしく映ってくるのです。
モテたいという思いを原動力に色々な事にチャレンジするも、今までのこともあってか中々受け入れられない。
それでもひたむきに取り組む姿勢は、クラスメイトより先に読者である私の意識を変えてくれました。
また、本当に徐々にではありますが、周りに理解者というか好意を持ってくれる人が同性・異性問わず増えてくるのも良かったです。
西野も十分個性的なのですが、クラスメイトや同業者の面々もまた個性的で掛け合いがまた面白い。
特にローズと委員長(志水)が良い味を出しており、ローズの西野に対する狂った愛情や、志水の西野に対する評価の変動などは読んでいてとても楽しかったです。
基本的には西野が日常を過ごすうえで、ひたむきにモテるために努力をしてそれが空回りするのが見所だと思います。
しかしながら、元々の設定である西野の異常なまでの強さと、それに伴う裏稼業でのエピソードもまた読んでいてワクワクしました。
日常と非日常のバランスがとても良く、最新話まで飽きずに読めたほどです。
今は更新を楽しみにしつつ、最新話がアップされると「ひゃっほー!」と飛びつくほど熱い手のひら返しをかましています(笑)
おわりに
アニメなどでもたまにやってしまうのですが、序盤の段階で見切りをつけてしまうというのは良くないですね。
節穴もいいところで、危うく面白い作品をスルーしてしまうところでした。
あなたが同じくこの作品を少しだけかじって、「つまんね」と見切りをつけていたのであれば、騙されたと思ってもう少し先まで読み進めてほしいです。
ちなみに、書籍化にあたってはタイトルが変更されており、「西野~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~」となっているみたいですね。
おそらくそのうちアニメ化すると思うので、今のうちからチェックしてみてはいかがでしょうか。
コメント
言いたい事は同意できますが、ハードボイルドを説明する地の文が壊滅的に稚拙でリアリティがない。フツメンアピールがしつこい。商業の方で二巻まで読みましたが、面白さのブーストが掛かるのが二巻からなので、初見に一巻まるまる苦行を強いるのは終わってる。この作者の作品って基本的に最初の書籍化作品であるブサイクの転生と同じ方法論で書かれてるので、それとさして変わらないクオリティなのは編集が無能としか思えないです
>通りすがりさん
コメントありがとうございます!
言われてみると、確かにちょっと演出が過剰かつテンポが悪いかもしれませんね。
私はweb版を元に感想を書きましたが、商業化は2巻からなんですね。
その辺りをもっとまとめて、1巻の数ページ後から面白くなる工夫は必要だったと思います。
もしアニメ化するなら、そこはちゃんと解決してほしいところですが・・・。